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京都の人は、陰湿なイケず(いじわる)が多いとの風説があります。 たとえば、「ぶぶ漬け食べていきよし」→「帰れ!」という意味だとか…。 私の20年の京都での印象では、そんな人にはあまり出会いませんでした。 どの人も優しかった。同級生だった、どこぞの日本画家の娘さんも、 公家に親戚がいるとかいう子も庶民的でしたし。(ちなみに私は岡山津山の出) 京都伝説は大げさに流布されてるんでしょうね。
ただ、ああ、これが京都の隠れたプライドとイケずだ!と思う思い出が。 それは、中京区のとある昔からあるお風呂やさんにタマタマ入ったときの事。 京都の古い町屋には、お風呂のない家もまだまだ多く、多くの年配の婦人の方が、 一緒に入るわけです。相当の年の人でも、リン、とした背筋をされていて、感動的でした。 存在や、ただずまいが、とてもキレイなんです。全身シワシワなのに。 隠れた京都の「美」を見た気がしました。ただし、よそ者には厳しいのか、(在住15年でもよそ者かも…) お風呂のロッカーの場所のいいところを取ったら睨まれたり(どうやら、ナワバリがあるらしい)、水をこぼしたら、エライこと怒られました。 私が行儀悪いから、叱ってくれたんだと今では思い、感謝してますが、なんだか、しばらくあのお風呂屋には行く気がしなかった…。
閑話休題。この末富(すえとみ)の「うすべに」というお菓子、 そういう、京都の美しいご婦人のリンとした、隠れたただずまいのようなお菓子だと思います。 一見やわらかそうな、おぼろの白いおせんべい。透けて見える淡い紅色…。きっと優しい味のお菓子に違いない…。 頼りなさそうな印象だけど…。
しかし、食べてみたら、意外や意外。 えらいこと上品なのですが、酸味と甘みがまじった実に独特の味です。 薄くて軽いせんべいに梅肉をはさんでいるんですね。 せんべいの梅と米の風味がよく、慣れてくると、この色、この形にはこの味しかないね! という気分になります。
なんと、このお菓子、末富(すえとみ)の初代が、茶道薮内家との交流から発案した、 もの。隠れた美と甘さがお見事な、誠に京都らしい、趣向を凝らした逸品。 お茶席の干菓子ですが、店頭でもネットでも購入できます。お使いものとして、 自信の持てる品です。
見かけは弱々しそうですが、それがどうして、まだまだ現役の女!色も香りも一流どすえ! 色気を表に出しすぎる若い女は、下品え!という感じの京都美人のようです。
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