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かつて、勤めた、某、役所のアルバイトに、 高級和菓子の頂き物が殺到しましたが、3時のお茶汲みを台所で準備しながら、 ひとつだけ、ひとつだけ、とつまみ食いをやめられませんでした。 特にこのこの俵屋吉富の 「雲龍」は、緑茶と合い、1/3以上はトータルで、つまみ食いをしました。 二色の餡子の色合いで巻き巻きされた美しい切り口は、まさに一人断面ショーでした。 はあ。 今だから言える事ですが、申しわけありませんでした。
丹波大納言を練り上げた濃厚な小倉あんを、優しい味わいのこしあんの村雨餡で巻き上げた、 二色のハーモニー。 この和菓子、相国寺の狩野派の手になる、勇壮な、のぼり龍の絵「雲龍図」をモチーフにしています。 大正時代に、20代目店主が、狩野洞春の絵を見て、インスピレーションを受けて創作したそうです。 その、勇壮さ、たくましさを京菓子で表現したい!と考え、出来たのがこれでした。 京都の和菓子職人は、芸術家でもあるのです。
丹波大納言の旨さを最大限に生かした、 「雲龍」。 むっくりとした小豆の味わいが上品で、重厚な満足感があります。男っぽい名前。また、 従来、小豆を使った生菓子は、 羊羹、という常識をから大きく逸脱していること。この菓子が 戦後の京都初めての京菓子展示会に出品された時は革命的な感動を人々に与えたといいます。 以来、棹物菓子の新しい潮流として、この「雲龍(うんりゅう)」は 昇り龍のように、存在しているのです。
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