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初夏というよりも真夏の暑さ。
つるり、というあの味が早くも食べたくなり、高島屋京都店で物色しました。
笹屋春信(ささやはるのぶ) 水無月(みなづき)
京都の水無月は、どれもハズレはないのですが。なんとなく、選ぶ基準というものがありまして。
美しい切り口。鋭角。大粒の小豆がぎっしり。そして、葛が使ってあるもの。(葛を使っているほうが、口あたりがよくて、さっぱりしている)
この水無月というのは、夏へ向かっての暑気払い。三角は、氷を表しているんです。また、平安時代は、今みたいな医学がない。夏の暑さで弱ったり疫病で、亡くなる人も多かった。そういうのを祓う意味がある。いわば、まじないね。
だから、こんな風に、角がピシとしてて、小豆がいかにも力がありそうな水無月に惹かれてしまうんです。柏屋光貞さんのは、特に、力がある水無月だと去年思いましたが、この笹屋春信さんのもなかなかなもの。

グリーンティーではなくて、冷やした抹茶。濃くたてたのに、氷を入れるのです。

こういうのが、食べたくなるってことは、無意識に邪気払いしたくなっているんでしょうね。
豚フルで、みんな一斉にマスクしたではないですか。わが地域は、まさに、最前線の区域なんですが、ものすごい勢いで皆がマスクして、ものすごい勢いで、一斉に飽きてやめた(笑)。これからこそ、マスクが必要なんじゃないかと思うけど...、薬局の仕入れすぎたマスクが山になってます...。
みな、マスクが科学的に根拠があって、これをしてたら、防げるって信じているわけじゃないんです。皆がしてるから、てのもあるけど(私も一応、その程度の礼儀はある)。水無月みたいなものかしら、と思っているんじゃないかと。
京都の庶民は、こういうものを食べて夏にそなえた。水無月が科学的に夏バテにいいから食べてたかというと、そうではない。イベント的なもの。祈りがこもってたり、疫病とかの不安に対抗するための儀式的オヤツ。小豆の魔よけ効力を信じている人は、今でも沢山いるんです。
よく冷えた、キメの細かい生地がツルリ。ああ、美味しい。元気でる。
見かけもいいですが、本当に爽やかで美味な水無月です。納豆小豆も粒が大きくて、コクがある。葛のとろみが豆を包んでいて、全体に甘さひかえめ。
ああ、これで安心、大丈夫。また元気でて、夏に向かうぞ。なんて思う摩訶不思議なスイーツですよね。水無月って。
戦後、西洋の合理主義が入ってきて、グローバル化がすすんだ。情報が世界中から入り、医療も発達。繊細な日本人のメンタリティは、その急激な変化についていけなかった。合わないところもあるんじゃないかと。地域の民俗的な力を皆失った。いきなり、科学主義、合理主義。正体がわかんないパンデミックが来たら、よりどころがない。だからマスクをいっせいにつけてみたりしたんじゃないでしょうか。もっと不安な人は、似非科学や、終末思想や、カルト霊感商法に走ったりする。今や失われた、先祖伝来の祈り、古来の地域のまじないを求めているともいえます。
水無月を食す京都。京都は、そういったマジナイの習慣を持ちつつ、近代化、合理化とのバランスが上手くとれているように見えます。それが両立してるのは野蛮だと西洋人は言うでしょうが。日本には、日本にあった緩やかな世界観があっていいのではないでしょうか。京都は、経済的な影響もあったようですが、やっぱ、慌ててませんね。昔から、政変に対応してきただけのことはあるのです。
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