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祇園祭の一日しか販売されない、柏屋光貞(かしわやみつさだ) 「行者餅(ぎょうじゃもち)」。
今年も行ってまいりました。
店内は、予約の人でごったがえす人ごみ。
お茶関係の人、神社関係の方はもちろん、年配でお体の不自由な方もタクシーで買いにこられてました。自転車で大きな風呂敷を抱えて来られる方も。
どの方も、とてもとても嬉しそう。
面白かったのが、今どきのチャラ風のカップル。どこで行者餅のことを知ったのでしょうか。店までわざわざ歩いてきた。「予約してないとダメですか〜」と残念そうでした。
店の方、わけへだてなく心を込めて接しておられました。
どんなにか、この菓子は、この日に人々に愛されているのか。私も、去年のあの味を思い出すと涎(よだれ)が止まらず、来てしまいました。
うちは少ない数しか毎年買わないのに。ごめんなさい。でも、10個買う人にも3個だけの人にも、貴賓客のように接してくださるお店の方々。これが京都クオリティというものです。

「その日のみの販売」というのが価値を高めているのかと、知らない人は言うでしょう。しかし、巷によくある限定販売とは全く違うのです。
文化三年(江戸時代)当主が修験道おいて霊夢でこの菓子を示された。現在でも潔斎をもってして、この菓子は作られている。「この日のみの祈り」でもって作られた霊気が凝縮した和菓子なのです。


一見とても簡素です。
でもよく見たら、この生地の美しい表面。手に吸い付くしっとりさかげん。香り。ただものではないことがわかるのです。

求肥(ぎゅうひ)と白味噌。
白味噌に時折見えるツブツブは、山椒(さんしょう)。なので、ピリッとした爽やかな香りがします。

ジャパニーズ京都ハーブ(山椒)が脳みそにクラクラ。とろけるコクのある白味噌のあん。とんでもなく、弾力が豊かで切れがいい求肥。この求肥ひとつとってもスゴイなあ、と思うのに、またそれらをエロティック に包み込むクレープ。
霊菓と書かれたこの京菓子。神仏のことは私にはわかりませんが、思ったことがあります。
人は何のためにモノを作るか。
菓子や食べ物商売ってスゴイです。ごまかしが効きません。いくら良いこと言ってても、まずけりゃおしまい。京都は特にそういうのには厳しいです。
こういうのを食べると思います。私は最近ちゃんとモノを作ってきただろうか。誠実にとか思うんです。ほんまもんの京菓子ってバロメーターになります。味で人の心を動かせるのだから。

うまかった。本当に美味しかったです。役の行者に恥ずかしくないよう、来年までまたがんばります。
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