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6月30日といえば、夏越の祓(なごしのはらえ)。水無月(みなづき)を食べる日です。
この店では、本日限りの予約販売、東山の柏屋光貞(かしわやみつさだ)さんへ。
京都の道すがら、通る店、通る店、「今日は、水無月を食べる」「みなづき」と看板や張り紙が多し。
京都人にとっては、とても大切な日なんですね。
各店、似ているようでいて、個性があるのですが…。
この老舗のは、店に並んでいるのを一目見て、思わず姿勢が正されてしまった。
美しいんです。角がピシ、と鋭角になっている。
どうです。この三角。百貨店の有名店ですら、角が少しはヘタっているもんですのに。
この蒸し暑い時期は、体調を壊しがち。ヨソさんの私も、近頃は、これなしでは、夏を迎える気がしないかな?この水無月を見ると元気が出てくるのです。季節の節目の大事な和菓子なんです。
上の小豆、この店は、丹波大納言。小豆納豆の粒が大粒で崩れていない。光ってます。
上の小豆納豆は邪気払いの意味があります。京都に限らず、全国的に小豆というのは、邪気や厄病を退散させる魔よけとして考えられています。
実際に効果があると信じている人は少ないでしょうが(え?京都人は、信じてるよ!って?失礼しました!)。この柏屋光貞(かしわやみつさだ)さんのものは、不思議な存在感がある。小豆に力がある。本当に邪気払いできそう。
話をお聞きしたら、実際、ただの慣習のまじないで作られているのではないようです。
実は、店主は修験道の方。なんと、祇園祭の「行者餅」を作るため、つい、おととい、聖護院の行者による祈りが、店でされた。その時に出されたオコワの小豆がこの水無月にも使われているのだそうです。
ちょっとびっくりです。祈りによって、清められた小豆。だから神秘的な力をひめているかのような。そんな印象を受けるのかもしれません。
角がピシ、となっているので、よほど小麦粉濃度の高い、堅い食感だろうと思ってました。しかし、滑らかで、きめ細かい味!ああ、おいしい!なんて、なめらか!
力のある味。それは、よくある市販のモッタリした力とは違う。それぞれの素材がクッキリと力がある。充実している。小豆も風味がよい。ベタベタせず、粒がしっかりしている。
驚いたのが、あとくちの爽やかさ。水無月は通常、ボリューム感のある和菓子なのに。甘みが風のよう。モチっとしているのにキレがいい。練りのいい外郎(ういろう)なんですね。
元々外郎は、口を爽やかにするためのお菓子だったとか。そういう逸話を思いだしました。
やはり、このお店の味にはただならぬものを感じます。「手作り」という言葉だけでは言い足りません。伽藍や袈裟に頼らず市井の暮らしで、祈りでもってものを作る。京都の人々と職人さんの心の根幹にそれがある。
水無月で、心を新たにして、夏に向かう気持ちにさせられます。
※連れ合い(40代男性/関東出身)の感想…「酒と一緒に食べたら、うまいなあ。が、腹でふくれてきた。夜食のラーメンはとりやめ。」との事です。
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