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京都東山の老舗、柏屋光貞(かしわやみつさだ)さん。以前「おおきに」というお菓子を購入。今回はそれを箱買いしてみました。
色が四色あるんです。でも、前回は、茶室に納めるとかいうので、ピンクが品切れだった。あまりにも美味しくて、かわいくて。4色そろえて、食べてみたかったんです。
この手書きにかぎりなく近い栞(しおり)。かわいいなあ。
「おおきに」という菓子の名前。これは、舞妓さんの思いやりを大切に思う感謝の心からつけたのだとか。このお店の50年ぶり(!)の新作なんですって。
実は、今回、直に職人の方から製造についてお聞きすることができました。お忙しい中、ありがとうございました。
とても濃厚な時間でした。
前回購入した、この最中「さとめ」。びっくりしたんです。皮とアンコだけのシンプルなものなのに。このスッキリした感動の味わいは。と思った。最中だけではなく、他の菓子についてもちょっと、すごすぎるな、と。
私は、先入観が最近はあって。菓子を食べるとき、噂で評判がいいとか、ブランド名なんかで食べたりするわけです。でも、連れ合いは、そういうの、一切ない。100年の歴史のある、あの店のあれを「へんなの。」とか平気で言う。先入観がないというのは、いいなあ、とも思います。「くそう、これは1個500円もしたのよ!」とか内心思うんですがね(笑)。
でも、この店、柏屋光貞(かしわやみつさだ)さん。ここのだけは、連れ合いの反応が違ってて。老舗名も値段も何も言わずに出すんです。お茶と一緒に。すると、「なんだ、これはすごい!」と仕事や勉強の手を休めて飛んでくる。甘さも連れ合い好みじゃない、どちらかというと甘いほうで。
しかし、「ほっとして、キレイな味だ」みたいな反応になるんです。
私もなんともいえず美味しいと思うんです。でも「材料がすごい」とか「技法が」とか具体的に理由が出てこない。超越しているような味に思えます。理由がわからない。ただただ、魔法のように、しみじみとする。
今回お店の方と話してみて、理由がわかった気がしました。
色んなお話がきけたんです。ひとつにアンコの話。あんこにね、砂糖を使う(あたりまえか)。で、その砂糖が、氷砂糖に近いものを使う。そうすると、スキ、とした雑味のない味になるとか。話が専門的すぎて、適当な書き方しかできないんですが。
でも、すごいのは、そういう材料の選び方をしているとかじゃなくて。
私が「そういう”こだわり”があるから柏屋光貞(かしわやみつさだ)さんのお菓子は美味しいんですね」とか申し上げたんです。すると、お店の方が
「”こだわり”とかじゃないです。”当然”のことです」
と毅然としておっしゃった。その姿勢に、びっくりしたんです。
たとえば、この「おおきに」の箱買い。¥1000円程度なんですよ。まるごと。(四角が機械で作ってない。手作り。だから、きっちり揃った風でない。それがまたいい。)
異常に安い。百貨店なら、この味でこの量、2000円で売るでしょう。いやらしい言い方だけど、大手の東京資本が加わったら、メッキのような付加価値をつけるため、包装に金をかけ、一箱1万円とかつけたりするだろうな。そういう水準の味なんです。
最中にしろ、干菓子にしろ、安いんです。しかし、どれもこれも心をこめて非常に丁寧に作られている。
昨今、偽装の多すぎる、添加物漬けのような食品業界。国産の材料なんて、ほとんどない。アンコも、自社生産のとこは、めったにない。それも、中国の機械ものも多くなってきた。それが一概に悪いわけではないですが。
手作りの真剣勝負の味。良心的な価格で、静かに作り続ける。それを
「”こだわり”じゃない、”普通”」
だと言い切れる、感覚。それこそが、味の秘密なんじゃないかなあ、と思いました。
「いのち」というものを売る店なんだと思います。京都では時々、こんな風に「いのち」を売る店に会えたりします。「いのち」とは極道映画にある、きったはったという意味ではないです。「いのち」とは人により「家族」であったり「愛情」であったり「芸術」「学問」「夢」だったりするんだと思います。
やっぱ箱買いは、夫婦ふたりでは期限内に食べきれない。(添加物がほとんどないので、賞味期限が早い)だからといって、期限がすぎて、捨てるのも嫌だ、と思い、冷凍庫に入れておいた。
凍ったの食べてみたら、なんともいえない、味わい。これは美味しい。お店の人は眉をしかめはるかもしれませんが(すんません)。ひや、しゃり、こり、としてものすご美味しいです。
※連れ合い(40代男性/関東出身)の感想…「うまいわ。やっぱ。」との事です。
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