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波がよせては返す、優しい音。その中に小さな小島が連なる、日本の風景。
時代を超えて、浜辺の風景は、日本人にとっては、嬉しく、懐かしいものです。
このように、洲が入り組んでいる浜辺の事を、州浜(すはま)といいます。
日本画には、古くから、この州浜の光景が描かれてきました。そして、それはいつしか、パターン化された、デザインとなって、生活の中に用いられます。
「すはま」というお菓子は、この州浜から、命名されました。「すはま」は、大豆の粉に水飴を混ぜ て棒状にした棹菓子です。
作られた当初は、「豆飴」と呼ばれていました。江戸時代の記録では、「豆飴」の名前で、州浜形のお菓子が登場しています。
後、京都の老舗によってつくられた「すはま」の断面が州浜紋にそっくりなので、「州浜(すはま)」という名前になりました。
左上のマークは、州浜紋ですが、お菓子の断面の形は、まさに「州浜(すはま)」そのもの。昔の人は、このように、自然を意匠化したのですね。
この棹菓子「州浜」の登場により、後の「すはま団子」のように、州浜の形でなくても、大豆粉を使ったお菓子のことを「すはま」と呼ぶようになったといいます。最初は、「豆飴」だったのに…。お菓子の名前や、形の歴史は面白いですね。
この州浜紋は、不老長寿の仙人が住む蓬莱山を見立てているともいわれています。室町時代以降の工芸品や絵画の、蓬莱山には、必ず州浜が描かれています。平安時代の貴族は、木や、花を州浜をかたどった台に置いて、飾り、おめでたい席をもうけました。
州浜菓子は、このように、祝賀のイメージが強く、婚礼や、祝儀に似つかわしいものなのです。
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