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戦後に和菓子屋さんがはじめた、この波型のクッキー風味のお菓子。
ヴァッフェルといいます。
Waffel(ヴァッフェル)とは、ドイツ語でワッフルの事。英語では、waffleとつづります。
近年にはやっているベルギーワッフルとは似ても似つかぬ味と形をしていますよね。一体どこから、この和菓子屋の洋風煎餅の形になったのでしょうか?
一般的な洋風のワッフルは、やわらかい食感です。が、この和風ヴァッフェルは、とても硬く焼いてあります。そして、分厚く、波型。
真ん中には、必ず、チョロン、とした焼き印がアクセントのようについています。必ず2枚でクリームをはさんでいます。
お店によっては、バニラクリームや、抹茶クリームなど。イチゴやチョコなど、多彩なフレーバーも登場しています。
食べると固い食感。固焼き煎餅ほどではないですが、バッキンという感じです。優しく甘く、香り高い、風味。
でも、バターの風味はしないし、口当たりは、西洋のクッキーというよりは、日本の固い、昔からある、甘い煎餅の方に似ています。波型煎餅に挟まれているクリームは、和風テイストの少し固め。どうしてなんでしょうか。バニラ味なのに、非常に、和風なんですよね。
よくある甘いご当地せんべいを、小麦粉と卵を使って、洋風のテイストにしたもの、といったほうが正しいような気がします。
まさに、西洋のどこにもない、日本の和菓子屋さんが生み出した、和風のヴァッフェルなのです。
京都の鼓月(こげつ)というお店の、「千寿せんべい」が元祖のパイオニアで、最も有名でしょう。あの丸い波の上に、茶色で筆でひと塗りしたようなアクセントは、
見立てし千波に鶴翳しるすは千寿の兆し―
という意味。
鼓月によると、海の波の上に鶴が飛んでいて、その影がうつっている様である、とのこと。(???)波の上に鶴が飛んでいるなら、鶴そのものの絵を入ればいいのに?と思うところです。影を入れる、というのが、良く言えば京都らしい抽象性の情景。悪くいえば、京都らしいまどろっこしいさ(笑)。
今日では、鼓月(こげつ)の他にも、京都や全国の多くの老舗が、この和風ヴァッフェルを販売しています。
鼓月さんは菓子名からこの形ですが、なぜか、他の会社も、そっくりそのまま、この模様を真似している。これも日本人らしい、横並びのコピーの習性。結局、この形と柄は、和風ヴァッフェルのスタンダードになってしまいました。
ほおばると、上品な味と、爽やかな和の風味。口に広がるたっぷりの香り高いとクリームと、分厚い甘いクッキー煎餅のザックリした歯ごたえは、豊かな気分になりますよね。バキ、と割ったら、出てくるクリームも楽しみのひとつ。
センベイ部分とクリーム部分を一緒に食べたり、分けて食べたり…。
和魂洋才(わこんようさい)という言葉があります。
意味は、字のとおり、日本人の心をもってして、西洋のものを作ること。この波形の不思議な和風クッキー菓子もまさに、和菓子の世界での、和魂洋才の代表的なものでしょう。
新しい和菓子のひとつの完成形だと思います。
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