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前回、京野菜について、長々述べてしまったのですが、色々と、思い出がよみがえってきたので、もう少し、つぶやくのをお許しくださいませ。京菓子とは全然関係ない話になっていくのですが…。
今回の資料として、錦市場の方が書いた、「決定版 京野菜を楽しむ」という本を参考にさせていただきました。この本、まことに素晴らしい内容です。私が京文化のことを今だ深くは理解できないまでも、私が、なぜ、京都にこんなに、惹かれるのかという謎の一旦を、この本は、解き明かしてくれたような気がします。感動した一文を抜粋します。
…つまり京野菜は京都人の思想でもあり、矛盾の中に真理を求めているのです。革新であるが保守であり、保守であって革新でもある。…
政権が絶えず交代する歴史の中で、したたかに文化を育んだ京都人。白か黒かでなく、正義か悪でなく、清濁あわせもつ、混沌(カオス)の矛盾の中で花開いたのが京文化なのです。一般的に、二者択一の選択の中に真理はありそうですが、矛盾の中に真理を求めた、とあるのは、すごい一文だと思います。
私の中にも矛盾と混沌とが満ちていた、時間。私が錦市場の近く住んでいた時があります。そこは、事情で、半年位で引っ越してしまったのですが、京野菜の溢れる錦市場近くに住めたのは、楽しい思い出でした。生きづらいのに、何故か、楽しくてしかたがなかった、不思議な日々だったなあ。友人と、アホみたいな事をしゃべりながら、または一人で腹をすかせて、錦市場を歩きました。美味しそうな漬物や、京野菜、魚を毎日のように見て歩きました。1本筋の通った伝統なのに、やわらかい性質で人を裁かない混沌の京文化の中で、実に私は慰められた気がします。
古い人間が新しい事をする。抽象なのに、手にとるように季節を感じさせる。繊細な柔らかい土壌から、大胆で豪胆な手法で、新しい潮流を作る京文化。この矛盾の美こそが京都と京和菓子の美しさ、美味しさなのでは、と私は、思っています。
錦市場は京の台所。京の食文化をみわたせるような市場です。長い通りですが、色々な珍しい京都独自のものがあり、少しも退屈しません。京野菜や、豆腐、漬物、魚や、肉、京都の地鶏、おばんざいが、ところ狭しと並べられ、観光客から、一般の主婦、料亭の板前さんたちが、ごちゃごちゃになりながら、華やかな喧騒を繰り広げています。年末は、それがさらに、盛り上がり、押し合いへし合いしながら、実に楽しい雰囲気。甘さ控えめでヘルシーな、豆腐ドーナツや、豆乳ソフトなど、食べながら、ぜひ、あなたも錦市場を散歩してみてください。
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